何のために造られたのか、いつからそこに在るのか、それは誰も知らない。
ただ、毎日のように数多くの冒険者がその塔に入り、儚く命を散らしていた。
塔から少し離れた場所に、屋根の一部が崩れ外装が剥がれ落ちた館が建っていた。
そこには失われた魔術の研究を行っている白髪の男と、屍肉から形作られたメイドの少女が住んでいる。
少女に与えられた仕事は大きく分けて3つ。
館に関する一切の家事をまかなうこと。
侵入して来る冒険者を撃退すること。
そして、必要な際には主人の実験体となること。
命さえ持たない少女の受難の日々が、今、始まる。
……かもしれない。